飼育方法
冒頭でも言いましたが、特に注意することはありません。基本的なことさえ注意すれば飼育は容易です。
入手
入手方法は購入か採集の2つですね。
一番オススメの方法は結婚飛行後の女王を採集することです。飛行時期になると道を歩いている女王を見ることができるので捕獲しちゃいましょう!大きくて目立つので大変見つけやすいです。
コロニー採集も可能です。成長したコロニーは大きな石の下などに営巣していることがあるので、頑張って石をどかすと運が良ければ女王も一緒に採集することができます。ただ環境に負担がかかることや大きい石をどかすことが大変なので極力やめた方が良いです。
あとは購入ですね。結婚飛行時期になれば交尾後の女王がショップやオークション等で販売されています。高価でもないので、忙しい方は通販などで買っても良いですね!
購入は下のショップがオススメです。ただ時期にならないと中々入荷しないのでそこだけ注意ですね。イベント等では入荷していることが多いです。
- Ant Street Market(私がやってるショップです)
- Ant Museum
- Ant Room
- あり巣 in underground
どのショップもとても丁寧に梱包してくれるので安心です。
また、クロオオアリはストレスにも強いので輸送などにも問題なく耐えることができます。
セッティング
容器は?
ある程度の湿度さえあればどんなものでも飼育することができます。試験管や石膏で作った巣、アクリル製の巣でもなんでも大丈夫です。
あとはコロニーの規模にあった大きさの容器が良いでしょう。そのほうが落ち着けるはずです。新女王であれば平置き型の石膏巣か試験管に水とティッシュを詰めたもので良いでしょう。しばらくはそれだけで飼育することができます。
試験管や小さなケースなら100均や通販でも購入可能です。
ワーカーが増えてきて、巣が狭くなったと感じたらより大きな巣に移動させてあげましょう。便利なアリ用飼育ケースが下のショップから購入することができます。
- Ant Room:アリマシーン(石膏巣)
- あり巣 in underground:アクリル巣や石膏巣
石膏等を使って自作できるようならそれでも構いません。
ワーカーが羽化したら餌場も必要になります。巣と餌場が一体型のものでなければ、上記のショップで巣と同時に購入することをオススメします。
家にケースや電動ドリルがある場合は自作可能です。私はダ○ソーで買ったクリアケースに穴を開けて餌場にしています。
餌場にはできればベビーパウダーを塗布しましょう。クロオオアリはケースの壁を登れてしまいますが、ベビーパウダーを壁面に塗ると滑って登れなくなります。餌をあげる時などの脱走防止用ですね。ワーカーがたくさんいる時にベビーパウダーを付けずに餌場を開けると地獄を見るので注意です笑
温度は?
基本的には常温で飼育できるので気にする必要はないです。ただ30℃を超えるような暑さだと死んでしまう恐れがあるので注意が必要です。冬場も室内であれば保温等の対策は不要です。
維持方法
餌は?
クロオオアリは雑食性でなんでも食べますが、蜜をよく好みます。メープルシロップや砂糖水を中心にあげましょう。たまに肉餌(レッドローチやコオロギなどの小昆虫)をあげると成長スピードが早くなります。初心者の方にオススメなのはショップが出しているパウダータイプの餌です。
以下にオススメあげておきます。(リンク先で購入可能です)
- Ant Museum:アリのエサ(イエロータイプ / ホワイトタイプ)
- Ant Room:アントサプリ
- あり巣 in underground:スイーツパウダー / プロテインパウダー(3種)
これらは食いつきも良いし、パウダータイプなので保存性も高い優れものです。
Ant Roomさんのアントサプリは甘い植物性の糖成分が入った餌なのでクロオオアリには最適です。アリ飼育者に長年使われているので安心感も抜群です。
あり巣 in undergroundさんは糖が主成分のスイーツパウダーと動物性タンパク質メインのプロテイン系のパウダーを販売されています。プロテインパウダーは3種類ありますが、どれでも食べてくれると思います。ただ、コロニーによって好みがありますのでパウダーセットを買った方は全てあげてみて、一番食いつきが良いものを頻繁に与えると良いでしょう。
あり巣さんの餌については下の方々のレビューが参考になると思います。(外部リンク)
↓ants base labalさんのレビュー記事
↓ありありchさんのレビュー動画
レッドローチやコオロギが苦手な方や、家に置いておけない方でもこれならば代替品として安心してあげることができます!
セッティングが終わったら?
新女王から始めた場合は、セッティングから数日ほどで卵を産み始めます。それからさらに数日かけて計10個前後産卵します。ここで多くの場合、産卵は止まります。幼虫を育てるための栄養を残すのです。
※この時、働きアリが誕生するまで餌は必要ありません。もしあげたい場合は、蜜餌を少しだけあげるといいでしょう。
1週間ほどで幼虫が孵化してきます。幼虫は女王が口移しで体内の栄養を分け与えて育てます。
さらに2週間ほど経つと丸々と太った幼虫が育っているはずです。ここまできたらもう少しで繭を作り始めます。
繭ができたらそこから10日程でワーカーが羽化してきます。それまで安静にしておきましょう。(繭の黒い部分は幼虫が蛹になる前に出した糞です。心配いりません。)
ワーカーが生まれたら?
最初のワーカーは女王に繭や皮を破ってもらい羽化します。羽化して数日経ったら、蜜餌をあげてみましょう。最初はほんの少しで大丈夫です。
完食したら餌を補充していきます。ワーカーが増えてきて完食スピードが早くなったら少しずつ餌の量を多くしたり、肉餌を与えましょう。
第1世代のワーカーが全て生まれる頃には次の世代の卵があります。調子よく行けば冬前には第2世代のワーカーが羽化するはずです。一年目は20〜30匹ほどのワーカー数になるでしょう。冬が近づくと産卵と幼虫の成長が止まります。冬眠の時期ですね。
冬眠したら?
特にすることはありません。基本的には餌も不要です。ただ室内が暖かい場合は、冬眠が浅くなる時もあります。餌場にワーカーが出ていたりしたら蜜などを少し与えても良いでしょう。
冬場の乾燥で巣が乾かないようにだけ注意です。世話の必要がないから給水も忘れて湿度不足で死んでしまった、というのはよくある事故です。気をつけましょう。
あとは産卵が始まる春まで待つだけです。産卵が始まったら餌をあげましょう。
安定したら?
冬眠が明けて2年目に入ったらもう安定していると言ってもいいと思います。あとは大コロニーに育て上げるだけです!3年目くらいからは大型ワーカーも出現するでしょう。さらに何年も飼育すると、何百何千という規模になってくれます。
長年上手くいくと新女王や雄アリも生まれてきます(7〜8年で羽蟻が生まれたと言う記録有)。飼育下では結婚飛行ができないので累代することはできませんが、とても調子が良いという証拠なので誇っていいと思います。
詳しい推移などはこちらのブログが非常に参考になります。↓
10年以上に及ぶ飼育記録が書かれているのでクロオオアリを飼育している方は必見です!
最後に
いかがだったでしょうか。散々書きましたがクロオオアリは簡単に飼育できる上に見応えもある素晴らしいアリなので、本当にオススメです。初心者上級者問わず最も飼育されているアリではないでしょうか?
この身近な日本最大種、飼ってみたいと思ってくれたら嬉しいです😆
あと、ここでは解説しませんでしたが「トゲアリ」というアリを飼育してみたいと思っている方はこのクロオオアリが必要だったりします。(必須ではありません)それはまたの機会に説明しますね!
参考になったと思ってくれた方はTwitterのフォローもお願いします!
では最後までご覧いただきありがとうございました!
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