【アリ入門種】クロオオアリの飼育法まとめ【まずはここから】

オオアリ属Camponotus

いきなりですがクロオオアリ、良いですよね!

日本でトップレベルの大きさなのに、どこにでもいるから採集もしやすくて飼育もしやすい。素晴らしいアリじゃないですか。

アリを始める方に「何かオススメある?」と聞かれたらまずはクロオオアリを勧めるでしょう。

このザ・入門種は特に飼育に関しては注意することはないですが、ここは「ANTS KEEPING LIFE」。あらゆる種類ごとにアリの飼育法を解説させていただきます。

基本情報

飼育する生き物についてはやはり多少の知識は欲しいですよね。

分類

クロオオアリCamponotus japonicusはヤマアリ亜科オオアリ属に属するアリです。実は日本には「クロオオアリ」は1種類だけではなく、他にも「カラフトクロオオアリ」「ケブカクロオオアリ」「オキナワクロオオアリ」の計4種類が確認されています。姿はぱっと見よく似ていますが、細かい違いがあります。北海道を除けば、普段私たちが目にするのは今回紹介する普通のクロオオアリでしょう。

分布と生息環境

沖縄県を除いた日本全国に分布しています。他にも朝鮮半島や中国にも分布しているようです。日本では平地の日当たりの良い場所で観察できます。街中の公園などでもその姿を見ることができるでしょう。土中や石の下を探すと巣を見つけることができます。

生態

カースト(階級)

クロオオアリのコロニーは女王アリ、ワーカー(働きアリ)、大型ワーカー、雄アリの4つのカーストで構成されています。

女王アリ18mm前後
ワーカー7~9mm
大型ワーカー9~12mm
雄アリ10mm前後

特徴としては比較的大きいということですね。日本産のアリの中では最も大きい種類の一つです。

単雌性なので、女王が一つのコロニーに1匹だけ存在しています。成長したコロニーではワーカーが数千匹以上で構成されますが、それらは全て1匹の女王から生まれた子供たちということですね。

海外のクロオオアリには多雌が基本のものもいます。何度か入荷を見たことがありますが、今後も入るかは不明です。

働きアリには普通のワーカーと、頭と身体が発達した大型ワーカーの2種類がみられます。普通のワーカーはほとんど全ての雑務を行いますが、大型ワーカーは餌の解体など、大きな体を生かした仕事をしています。そしてこれらの働きアリたちは全てメスになります。意外と知らなかった方もいるのではないでしょうか。

また、働きアリは1年ほどで寿命を迎えるようですが、女王はコロニーを保つために10〜20年程生き続けます。

雄アリは結婚飛行時期が近づくと周期的に発生します。アリの多くがそうですが、雄はあまりアリのような見た目ではなく、どちらかというとハチに似たような外見をしています。(写真は撮れたら追加します)

結婚飛行時期

クロオオアリは基本的に5月に新巣創設のために結婚飛行を行います。結婚飛行は湿度や温度、風速などの要因が合った時に一斉に行われます。参考程度ですが、下におおよその飛行日のタイミングを示しました。

  • 湿度が高い
  • 温度が高い
  • 風が弱い

もう少し具体的に言うと前日に雨が降って、翌日暖かくて(25℃以上)風が弱い(風速が4m以下)午後くらいがクロオオアリの飛行タイミングとしてはちょうど良いようです。この時期になると、雄アリや新女王アリが巣穴からちょこんと顔を出して機を伺っている様子が観察できます。

もちろん上記の条件から外れていても飛ぶことはありますが、数が少ないので見つけるのは難しそうです。

空中で交尾を終えた女王は、地面に降りて翅を落とし1匹で巣作りを始めます。この時はまだ労働力が足りないので、土中の浅いところや石の下などに穴を掘って生活を始めます。

赤いクロオオアリ!?

ごくまれに体が赤いクロオオアリが見つかることがあります。

地域によるものなのか、遺伝子疾患なのかよくわかりませんがとにかく不思議です。

また、赤くなる個体は大型ワーカーが多いようですね。これも理由はわかりません。

こちらは以前に見つけた個体です。非常に美しいので皆さんも探してみてはいかがでしょうか。

 

次のページで詳しい飼育方法を説明します!

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