バルバルスクロナガアリ…
地獄から来たようなカッコイイ名前をしていますが、飼育はそれほど難しくはありません。
多少の温度管理は必要ですが、それ以外はとても飼いやすいと言われています!
そんなバルバルスクロナガアリですが日本のクロナガアリとは一味違う魅力を持ち合わせています。
基本情報
分類
バルバルスクロナガアリMessor barbarusはフタフシアリ亜科クロナガアリ属のアリです。
分布と生息環境
主にスペインなどの南ヨーロッパに生息しています。巣は日当たりの良い場所(畑など)の土中に作るようですね。ここは日本のクロナガアリと同じですね!
生態
カースト
バルバルスクロナガアリにはメジャーワーカーが存在しています。日本のクロナガアリにはいないので初めて知った方は驚かれるかもしれませんね。下はメジャーの蛹です(写真不足すみません💦)
他は女王、マイナーワーカー、雄アリで構成されています。
女王アリ | 13mm前後 |
マイナーワーカー | 3mm |
メジャーワーカー | 11~13mm |
雄アリ | 7mm |
また、単雌性ですので1コロニーに女王が1匹になります。こちらも日本のクロナガアリとは違うところですね。
現地での扱い
どうやら現地では害虫として扱われているようです笑
それもそのはず。クロナガアリの別名は「収穫アリ」。主な餌となるタネを人が栽培している作物から回収してしまう厄介者です。さらに現地では数もかなり多いようなので困り物ですね。我々アリ飼育者からすると羨ましい状況ではあるのですが笑
カラーバリエーション
バルバルスクロナガアリは個体によって体色が異なる場合があります。よく見る体色は全身黒のタイプですね。他には頭部のみが褐色のタイプや全身褐色の珍しいタイプもいます。基本的には全身黒<頭部褐色<全身褐色の順に値段も高くなるようです。
また、全身褐色のなかでも特に極上の赤色の個体は数百匹に1匹とかそうでないとか・・・
飼育方法
入手
まずはどこで手に入れるかですね。バルバルスは海外産のアリなので購入一択です。私が入荷の確認をしているショップをあげておきます。
Ant Museumさんが最も入荷頻度が多いでしょう。私もここから購入しました。Twitterやホームページをチェックしていれば確実に手に入ると思います。
セッティング
飼育ケースは?
土中営巣種なので石膏を使ったケースがオススメです。(新女王や初期コロニーであれば試験管でも問題ありません。私は試験管で管理しています。)
石膏巣等を自作できる方はそちらでも問題ないでしょう。
どうやらツルツルしたところが苦手なようなので、餌場には土などを敷いてあげると良いかもしれません。(なくても問題はないと思いますが)
温度は?
16〜28℃で飼育可能です。もちろん温度が高い方が成長スピードは早まるので適温内で高めの保温をしてあげましょう。また、15℃以下になると冬眠に入るようです。ただ冬眠させる必要はないので、室温がそれ以下になる場合は保温し続けることを推奨します。
維持方法
餌は?
上記しましたが主に種を食べます。小鳥用の種子等を買ってきて与えるのが良いでしょう。
また、日本のクロナガアリと異なり肉餌を頻繁に与えることもできます。日本のものは肉餌を与えすぎると死んでしまうことがありますがバルバルスにおいては心配ありません。むしろ成長が早まるのでオススメです。
種をメインにして、週1〜2回程肉餌(レッドローチやコオロギ)を与えると良いと思います。後は水分補給用に給水機、もしくは昆虫ゼリーがあると安心ですね!
※タネは与えすぎると食べきれない分が発芽してしまう恐れがあるので、食べきったら補充するような方法をオススメします。
新女王から始める場合は?
ワーカーが生まれるまで餌は必要ありません。始めに10個前後産卵すると思いますのでしばらくはそのまま見守りましょう。その後の成長は以下の通りです。(温度によって羽化までの平均日数は変化します)
卵から孵化まで | 2週間前後 |
幼虫から蛹 | 2〜3週間 |
羽化まで(マイナーワーカー) | 1〜2週間 |
マイナーワーカーの羽化まで6〜7週間ほどかかるようですね。
ちなみにバルバルスは繭を作らない裸蛹タイプです。
※メジャーワーカーの羽化日数や出現時期はわかり次第記載します
安定したら?
安定したら、もしくはコロニーを購入した方は上記を参考にそのまま飼育をしてあげて下さい。
ワーカーが増えたら餌の量と頻度を増やしましょう。
ただ、1つ注意をするとすれば増えすぎると新たな土地を求めて凶暴化するので、巣を増やせない場合は匹数をコントロールするなり対策が必要ですね😅
成長したコロニーは1万匹を超えるそうです笑
最後に
保温以外に特筆して注意することもないので、初心者の方にもオススメできるアリだと思います。
メジャーワーカーが出現するアリはやはりイイですよね。アリ特有の役割分担がしっかりと観察できるので見てて飽きることがありません。
しかも餌がタネメインなので、肉餌の確保などにあまり気を使う必要がない所も良い点です。
海外種にも興味が出てきた方はバルバルスから始めてみるのもいいかもしれませんね。
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参考
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