COLLECTING
採集方法(女王アリ編)
アリ飼育は、女王アリもしくはコロニーを迎えるところから始まります。
ここでは、地表に出てきた女王アリを自分で採集する方法をまとめています。ショップで購入する予定の場合は飛ばしても問題ありません。
結婚飛行とは
まず、アリの採集において知っておくべき重要な生態が「結婚飛行」です。
これは春から秋にかけて、成熟した巣で生まれた翅(はね)を持つ新女王とオスが一斉に飛び立ち、空中で交尾する行動のことです。
結婚飛行を終えた新女王は地面に降り、自分で翅を切り落として、新しい巣を作る場所を探し始めます。
この「翅を落として歩いている女王(=脱翅女王)」を見つけるのが、採集の基本です。

結婚飛行直前に巣から顔を出す
クロオオアリの新女王とオス

地表に降りて翅を落としたトゲアリ新女王
採集に適した時期
結婚飛行の時期は種や地域・気候によって大きく異なります。
日本では春から秋にかけて種ごとに時期がずれて飛行します。
たとえばクロナガアリは4月ごろ、クロオオアリは5月ごろなど。
飛行は「雨上がりで蒸し暑い日」など、特定の気温・湿度・時間帯の条件がそろったときに起こりやすいとされています。

女王アリの見分け方
女王アリは、同じ種の働きアリよりも体が大きく、とくに胸部や腹部がふくらんでいるのが特徴です。
また、腹部のふくらみは女王アリにとっても重いようで、働きアリに比べて動きが遅い印象もあります。
地面を歩くアリを見かけたら、上記の特徴に注目してみてください。

女王

働きアリ
採集の方法
結婚飛行後の女王を拾う
飛行後、地表・歩道の縁・建物の壁ぎわなどを歩く脱翅女王を探して採集します。
最も手軽で、おすすめの方法です。
あらかじめ自分がよく行く公園や通る場所にどんなアリがいるか調べておくとよいでしょう。
採集したいアリに目星をつけたら、そのアリの結婚飛行の時間帯や飛行条件なども把握しておくと見つけやすくなります。

花壇の隙間に巣を掘るクロナガアリの新女王アリたち
採集にはアリを入れたときにつぶれない程度の硬さがあり、片手で持てる大きさの容器を用意しておきましょう。(*呼吸ができるようにあらかじめ空気穴をあけておきます)
小さめのタッパーなどでも代用可能です。
小型のアリや取りづらい場所にいた場合は、吸虫管という専用の道具を使う方法もあります。管の先を女王アリに向けて吸い込むだけで採集できて便利ですが、女王アリの採集では必須ではありません。
女王アリを見つけたときは、容器を地面において、口を女王に向けて誘導するようにいれるとやりやすいかと思います。
⚠️ 注意
*基本的には1つのケースに女王は1匹だけいれてください。「多女王制」の種類以外は2匹以上入れるとお互いに攻撃しあって弱るか死んでしまうことがあります。
*アリは怒ると「蟻酸(ぎさん)」という液体を飛ばしてくる場合があります。人にあまり害はありませんが、目などに入らないよう注意してください。
*容器の中で蟻酸を出した場合、中毒死してしまうこともあるので、そのような場合は一度ふたを開けて換気をしてください。
石をめくる
石の下に潜り込んだ女王を採集する方法です。
女王を傷つけたり取り逃したりしやすいため、難易度は上がります。
この方法や枯れ枝などからコロニーごと採集することもできますが、詳しくはまた別でご紹介したいと思います。

採集時の注意・マナー・法令
採集は、他人の敷地や立ち入り禁止区域では行わないなど、基本的なマナーを守って行いましょう。
また、法令・条例により採集が制限される種・地域があります。
採集を行う際は、事前に各地域の規制を必ずご確認ください。